コロナ禍で自粛してきた、飲食の提供が復活。進学も就職も決まっていない学生のアウトリーチを実現しました。

2022/11/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。育て上げネットのFR担当の山崎です。

先日、日本と同じように若者の孤立・無業の問題を抱えている海外からの視察依頼がありました。新型コロナの流行前には年に何度かあった交流も失われていたことを思い出し、自粛されてきたものが少しずつ動き出すのを感じています。

社会の動きはもちろん、支援の現場でもひとつの変化が訪れました。

私たちは高校に直接おもむいて、学生と関わる機会をいただいています。

高校では進学も就職もあり、幅広い将来を考えるタイミングを迎えています。小中学校ほどではないにしろ不登校になってそのまま中退に至る方もおられるのです。

私たち支援者の立場からみると「学校に通っている」ときは「声をかけやすい」ときでもあります。

例えば「ひきこもり」状態になると、私たちから声をかけるのは非常に難しい状況となります。どこにいるかわからないので、支援プログラムを始めるきっかけを本人に任せるほかに手段がなくなるのです。

学校に通っているうちに支援を始めることの最大のメリットは「声掛け」が圧倒的に容易であることにあります。先生や友人とのつながりもあってサポートをスタートしやすいのです。

NPOと学校の連携で「居場所カフェ」などと呼ばれる手法がよく見られます。

校内のスペースを借りて、飲み物や軽食のある簡易なカフェを作ります。相談員が在中して、そこで接点を作ります。無理に相談を強要することもなく、最近はボードゲームなどを活用しているケースも出てきています。

コロナ禍でも高校での支援は続けてきていたのですが、長らく飲食物の提供はできませんでした。飲食物がないからといって、彼らが来てくれなくなるわけではないのですが、声をかけるきっかけが減ってしまいます。「気軽さ」の演出の意味でも、ラフな印象は受けにくくなってしまいます。

先日、飲食が解禁されて1回目のプログラムを実施しました。飲み物やお菓子を用意して、来てくれたのは25人。

対応したスタッフには滞在する時間や会話が発展していく実感を感じています。

高校生の就活はもう終わりに近づいていて、年が明ければ大学進学もまとまっていきます。

進学も就職もしない若者の悩みが明らかになってくる、今のタイミングで居場所カフェがしっかりと機能するようにな体制を整えることができています。

提供している飲食物などはみなさまからいただいた寄付をによってまかなわれています。

ご支援によって若者が社会との接点を失う前の段階で関わることができるようになっていることに御礼申し上げます。

今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

【ご支援に関するご報告】

2022年10月の寄付総額は¥24,305、54名の方から寄付をいただきました。

大切に使わせていただきます。

育て上げネット 寄付担当 山崎

活動報告一覧

コロナの影響を受けた若者への支援事例

2021/03/31

育て上げネット広報担当の山崎です。 日々、若者を支える活動へにご協力をたまわり、御礼申し上げます。 solioを通じていただいたご寄付について、その活用方法が多岐にわたっています。 直近でありました、直接のご支援についてご報告させていただきます。 わたしたちが運営する支援機関を利用している方から「自宅の電気が止まりそう」と連絡をいただきました。 お話を聞いていくうち、ライフラインだけでなく、食事も充分にとれていないことがわかってきました。 こうした状況にある若者が、SNSやインターネット上にある「簡単にお金を稼げる」という情報から、詐欺などの犯罪に巻き込まれるケースが問題視されています。 緊急性の高い対応が必要と判断して、この方には「お守り」としてクオカードをお渡ししました。 個人情報の観点からパーソナルな情報をお伝えすることはできませんが、コロナ禍において、経済的な困窮状態にある方への就労支援を始める前に、経済的な安定を確保することが必要なケースが今まで以上に散見されるようになりました。 通常、こうした金券や資金提供を行うことはほとんどありませんが、solioを通じていただいたご寄付は、社会の変化によって生じた新たな課題に対するチャレンジにも活用させていただいております。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼をお伝えさせていただくとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

詳しく読む >>

社内での寄付活用企画を募集しています

2021/07/05

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 若者支援の手法はさまざまありますが、私たちの「らしさ」のひとつには現場の声を拾う、というものがあります。 成人した若者がスーツを持っていなくて高校の制服で就活をしていた。 求人票に書いてある「パソコンを使える」の程度がつかめなくて応募できないでいた。 履歴書に貼る証明写真に自信が持てなくて前に進めない。 そんな若者が抱えている「社会との壁」は最前線にいる支援スタッフが気づき、解決できる手法を考えています。 今年度から、社内で新たに見つけた若者の悩みにアプローチするための「若者ファンド」という企画を立ち上げました。 まだ事業に組み込まれていない支援手法を試すための費用をまかなうための社内の貯金箱のようなものです。 solioを通じていただいた寄付は、この「若者ファンド」に活かしていくことを検討しています。 若者支援の歴史はまだ浅く、これから開拓が進んでいく領域でもあります。 上でご紹介した、若者の悩みに応えるために始めた活動は、企業からの共感を得て、最終的には行政事業の一環に組み込まれていきました。 みなさんとともに「新しい若者支援」の種に水を撒いていく様子をご紹介していけたらと思います。

詳しく読む >>

証明写真が一石三鳥の就労支援になる瞬間

2021/08/13

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 先日、ご紹介した社内企画募集「若者ファンド」のなかで実施した企画をご紹介します。 「証明写真」は国際的には使用されないケースもありますが、日本ではいまだにほぼ必須。しかし、自分に自信を持てないでいる若者にとって、これが高いハードルになります。第一印象の重要性はあえて語らずとも多くの方が体感したことがあると思いますが、日々、自分に自信を持てないでいる若者にとっては何倍にも重く感じるようです。 そんな「証明写真」を弱みではなく、武器にしてやろう。というのが今回の企画です。 プロ仕様の撮影機材と有名雑誌でも活躍するカメラマンにお越しいただき、「最高の一枚」を撮るこのプログラムは、多くの若者に自信を作ります。 完成した写真のクオリティはもちろんですが、撮影の際にカメラマンさんから習う「表情の作り方」や「身だしなみの整え方」が、写真だけでなくこれから挑戦する面接にも活かせる内容だからです。 実はこの企画は数年前から実施してきているのですが、財源の都合やコロナ禍ということもあって自粛せざるを得ない時期が長く続いていたのですが、充分な対策をとることで再び開催することができました。 履歴書の弱みだと思っていた「証明写真」が「強み」に変わること。 コミュニケーションの苦手意識が緩和されること。 身につけた自信で就職活動に一歩踏み出せること。 この企画がもつエンパワメントの力は、ただの写真1枚の成果にとどまることはありません。 今後もこうした活動を実施していくことができるよう、引き続きのご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

詳しく読む >>

【御礼】一カ月の寄付が10,000円を超えました

2021/09/02

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 おかげさまで8月中のご寄付の累計が1万円を超えました。いただいたご寄付は、社内で「若者のためにやりたいけど、いろいろな理由で形になっていない支援」に充てさせていただいております。 「いろいろな理由」には、国や行政から受託する事業ではルール上できないこと、新しい技術やテクノロジーといった過去の事例がないことなど、理由も背景もさまざまです。 こうして小さな事例を作ると、それに呼応して企業や行政が共感してより大きなスケールで実行できるようになります。月1万円の寄付は大きな金額ではないかもしれません。けれど、それが最初の事例になり、何百人、何千人に支援を届ける未来につながっています。 今後も、こちらの活動報告を通じて支援事例をお届けします。改めて御礼申し上げるとともに、引き続き、私たちの活動にご協力ください。

詳しく読む >>

「バッテリー切れ」は縁の切れ目? - 若者支援をアシストする「充電スポット」

2021/09/13

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 今回も社内企画「若者ファンド」で実施した事例をご紹介します。 若者支援はどうしても時間がかかります。 平均すると半年程度、長いときは何年も継続することもあります。 これを実現するには長期にわたり若者とつながりを作り、それを維持していくための工夫が必要です。 この「つながり」づくりとして、私たちが注目しているのが生活必需品となったスマホです。 家の固定電話が無かったり、保護者との関係性が悪くて第三者を経由できないことも多いので、私たちが連絡を取り続けるためにはこのスマホが生命線です。 しかし、その生命線の「バッテリー切れ」が往々にして起こります。 使っている端末が古くバッテリーの消耗が激しいなど理由は人それぞれですが、バッテリーが1日持たないと連絡が取れない状態を生み出してしまいます。 こうした状態を回避するために、モバイルバッテリーの貸与を始めました。 少なくとも1日はバッテリーがもつ、連絡を取ることができる状態を作り、連絡を取りやすい状況を作れるのではないかとみています。 実際に貸与をしてみたところ、連絡体制の改善はみえてきたほか、予期していなかった効果も見えてきました。 ひとつはスマホを通じた情報収集をできる時間が伸びたこと。 スマホ以外の情報通信機器を持っていない方も多いのでこれによって、自分が社会とつながる積極性が増しました。 また、もうひとつの効果は「モバイルバッテリーの充電」が支援機関に行く理由になったことです。 若者のなかには、相談することが無ければ利用できない、用事が無ければ支援機関に行ってはいけないと考えている方もいます。 できれば家にいたくない、何か進めたいと思っていても、相談日やセミナー参加日以外は来所しない方がほとんどです。 相談やセミナ―が無い日は利用できない拠点は確かにあるのですが、居場所支援のようないつでも利用できる支援の場合は、特に理由が無くても来て欲しいという考えています。 こうした場面で「モバイルバッテリーの充電」が効果的に働きました。 「用事が無い日」が「充電をする日」に代わり、支援機関に行く理由ができたのです。 似たような取り組みはアフリカの貧困地域での学校教育の場でも用いられています。小学校にモバイルバッテリーの充電スポットを作り、勉強をしている間に充電が進みます。 充電したバッテリーは帰宅後、家電に使うことができます。 従来、学校に通わせると働き手が減るから親が学校に行かせないという課題を抱えていたことを逆手に取り、学校に通うことが「家事」にしたのです。 両者に共通するのは「支援」や「勉強」という本来の目的を遂行するために「理由」をつけているということです。 支援が目指しているゴールは「就職」かもしれません。でも、だからといって就職活動のサポート以外のことをしないというわけではありません。むしろこうした周縁から支えることがアシストしてくれるのではないかと私たちは考えています。 外に出る理由ができる、何か役割を持たせることで、おのずと社会とのつながりは少しづつ作られていきます。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼をお伝えさせていただくとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

詳しく読む >>

行政事業の支援効果を何倍にもする寄付の力。仕事体験にクオカードを付ける取り組み。

2021/10/11

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 若者の就労支援の分野が活性化したのは2000年代からといわれています。 厚生労働省が管轄する「ヤングジョブスポット」や後身の「地域若者サポートステーション」などの公的事業が多く立ち上がったために業界に大きなお金が流れ始めたことがきっかけです。 公的な事業は全国的に同じような支援を提供することができ、ひとつのNPOだけでは到底まかなえないエリアカバーの力を持っています。 逆に支援の内容は「仕様書」というルールのなかで決まったこと以上のことはやりにくいという難しさも抱えています。 今回紹介する社内企画「若者ファンド」での実践事例は、そんな公共事業だけでは「手が届かない支援の可能性」をみなさまからの寄付で実現していく試行です。 ある支援拠点から「仕事体験のプログラムが終わったあとに参加者にクオカードを渡したい」という声が挙がりました。 ・「お金を稼ぐ」という疑似体験をしてほしい ・交通費や食事費用がネックで支援を受けない若者を減らしたい そんな想いを聞き取ることができ、実際にやってみることにしました。 仕様書にはそうした金券授受についてのルールは書いていないので事前に調整をさせていただき、私たちが集めた寄付を使用するのであればクオカードを配布しても良いと許可をいただきました。 そうした事前調整のもと、今夏、仕事体験に参加した13名の若者に計31枚(500円/枚)を配布することができました。 クオカード配布の取り組みは支援員の工夫の見せどころでもあります。 ただカードを渡すだけではなく、しっかりと封筒に入れて、名前を書き記して、ひとりひとりに丁寧に渡す。 そうした場面設定や見せ方を作っていくことでそのカードの価値を高めます。 今までの仕事体験は仕事そのものの体験はできても付帯的な側面までを見せることができません。 たかが1枚500円のクオカードかもしれませんが「支援でできること」を拡げるには充分すぎるのです。 若者たちが支援を受ける姿勢もずいぶん変わったそうです。 金券がもらえるという部分もないわけではありませんが、支援者の目線からみて、作業への責任感や関わり方に大きな違いが見られたとのことです。 毎回の仕事体験の区切りがつき、メリハリが出てきたことも良かったようです。 カードが貯まっていくことで自分の頑張りが可視化され「もう〇回目だから」と自分の段階を意識するきっかけになるようです。 公的事業は支援の機会を広く提供することができる一方で、こうしたもともとのルールに沿わないことがやりにくいのは事実です。 そうした課題は寄付をその事業に投下することによってパフォーマンスを上げていくことができると私たちは強く実感することができました。 海外のNPOでも「公共+寄付」のハイブリット型の支援で効果をあげているケースがあります。 今回は自治体からの許可をいただけたましたが、それが叶わないこともあります。 私たちは若者の未来への投資を民間や公共と区別をすることなく「みんな」で取り組むことができる仕組みづくりにも尽力してまいります。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 9月の寄付総額は¥11,573、30名以上の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

ボードゲームでホームゲームのような支援をしたいスタッフの声を実現しました。

2021/11/08

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 唐突ですが、スポーツでよくいわれる「ホームゲーム」はホーム側が有利なのだそうです。移動の負担や応援の力とさまざまな要因があるのでしょうけれど、自分のテリトリーでやる方が良いパフォーマンスが発揮できるというのは自然なことでしょう。若者支援の場でもできる限りアウェーの場所にならないようにしたいと思っています。 Solioでのご寄付を活用して実施している社内企画「若者ファンド」では、そうした「公共事業だけでは手が届かない支援の可能性」を試験的に実施しています。 今回は、ある支援拠点から「ボードゲームが欲しい」と連絡がありました。 育て上げネットでは、以前からボードゲームが支援に活かせるのではないかと試してきています。支援にはさまざまなスタイルがあるのですべての場で利用することはできませんが、居場所の支援やグループワークがある支援の場では活かしやすいとみています。 「ゲーム」というとどうしても娯楽の雰囲気を感じさせて、わざわざ若者を集めて遊んでいるのかと思われるのかもしれません。否定できません。 ただ、遊んでいることが問題なのかといわれると、はたしてどうでしょうか。 はじめて相談に来てくださった方に困りごとを統計でまとめてみると「コミュニケーションの苦手意識を改善したい」と答えた若者は50%で、2人に1人が対人関係の不安感を持っていることがわかっています。 その苦手意識をもう一歩踏み込んで聞いてみると、なにを話したら良いかわからない、会話が続けられないと具体的なことがわかっていきます。 その点を意識してボードゲームを使ったワークを考えてみると、遊んでいるときはゲームの話だけすれば良くなります。1回30分程度で序盤から終盤まで展開も変わっていくので話すテーマもある程度決まっていることもポイントです。 実際にやってみると、普段、あまり会話をしない方がたくさん発話をしてたり、逆に考えこんでいつもより独り言が増えるような方もいます。場が設定されることで新しい顔が見えていくのです。 また、終わったあとにしっかりと振り返りの時間を作ることも大切です。スタッフが伝えると客観的にいつもとの違いを実感できます。 最近はブームもあって多種多様なゲームがあり、必要なコミュニケーションのレベル感も幅があります。 ゲームの戦略など、共通の話題だけ話せれば充分なものもあれば、嘘をついたり、自分でストーリーを考えたりする高度なものもあります。 そのときにいるメンバー次第でカスタマイズがきくのも利点です。 ボードゲームは若者にとっては身近なもので慣れ親しんだものです。ただでさえ、見ず知らずの人に自分のことを話さなければならない支援機関を利用するのはアウェーを感じる方もいらっしゃいます。そうしたなかでも慣れているものや興味が持てるものを活かすことで継続的な支援の利用のハードルをさげていくことができるのではと考えています。 緊急事態宣言も解除され、対面での支援への抵抗も薄まってくる時節、こうしたコミュニケーションツールとしてのボードゲームを使ってホームゲームとなるような支援を実現していきたいと考えています。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 10月の寄付総額は¥13,553、40名以上の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

支援プログラムを利用してもらうためのカギを探す。居場所支援ができることを拡げるために、2つのプログラムを実現しました。

2021/12/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 就労支援というと、履歴書の書き方や求人応募など「働く」ことに直結するプログラムをイメージされるかもしれません。 もちろんそうした工程が注目されることが多く、若者自身もそのイメージが強いと思います。 そんななか「居場所」というプログラムがあります。 居場所というのは社会的な孤立・孤独を感じている方が社会とのつながりを実感できる場所づくりとなっていて、具体的な「働く」だけでなく、利用者同士のコミュニケーションや支援者とのゆるやかな会話ができる場所になっています。 solioでいただいたご寄付で実施する社内企画「若者ファンド」の実践事例として、今回は居場所での取り組みをご紹介します。 居場所の機能として「若者がイキイキと活動できる機会の提供」があると考えています。 例えば、好きなことや得意としていることをテーマにした活動をその人に合わせてつくることで社会参加のハードルを低くできます。 例えば、音楽が好きでギターを弾く場所を求めてきた若者には「若者ファンド」で音楽に興味のある他の利用者にギターを教えるプログラムを用意することにしました。 ギターの弦を張り替えやチューニングをして、教えるための工夫をしていく姿は、自主性や発信する力を感じさせます。 これまでも自分の好きなことから社会参加の活動を始めた若者は次第に周囲の人と関わるエネルギーを貯め、最初に書いたような「働く」ことにつながる就職活動を始めていきました。 支援機関を利用するにはモチベーションを保ち続けることも大切なことです。 時間はかかるかもしれませんが、無理なく社会とつながり続けるきっかけづくりをサポートします。 もうひとつの居場所の機能として「社会体験の提供」があります。 誰もが自己表現できることを持っているわけではないので、支援スタッフ側が若者に提案をして行う企画もあります。 収入がない若者のなかには経済的に苦しい状況にある方も多く、お金のかからないことを前提にしているのですが、この「若者ファンド」を活かして少し遠出をする企画を行いました。 交通費や食事のいわゆる「実費」とよばれる部分の負担をなくすことができると、活動の範囲を広げます。 電車に乗ることの不安を感じている人には練習にもなり、普段見ることができない団体行動の様子は支援者からみれば支援方針の見立てにも有効です。 若者支援の活動はどうしても支援拠点に来てもらう機会を継続して作る必要があります。 若者のモチベーションを保つことや、利用するためのコストを抑えていくことの重要性を強く感じさせる機会でした。 「若者ファンド」では、公的資金など制約があってできないことを形にして、より良い支援のあり方を模索し続けています。 今後もさまざまな領域・分野で必要となる支援を続けてまいります。 【ご支援に関するご報告】 11月の寄付総額は¥22,105、50名以上の方から寄付をいただきました。大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

【御礼】今年もありがとうございました。最後に、年間16万円の寄付がもたらす支援の「余白」についてお話させてください。

2021/12/27

いつも私たちの活動を応援してくださり誠にありがとうございます。育て上げネットの山崎です。 2021年は12月27日時点で延べ491名、162,084円のご寄付をいただきました。 solioを通じていただいた寄付は、社内プロジェクト「若者ファンド」で活用させていただいております。 育て上げネットは現在、行政等からの委託事業を中心に活動しています。委託事業は「仕様」という形でやれることが決まっている分、多くの方に同質に支援を提供することができます。逆に言えば、仕様に書かれていないことは実質的に実行できず、また、個々人が抱えている課題や要求に応えるのは難しいスタイルでもあります。「若者ファンド」は、そうした委託事業だけでは不足しがちな側面を補完する用途に使用しています。 支援に幅をつくるには、 ①仕様の外側にある支援の実現 ②まだ仮説段階の支援手法のチャレンジ ③個別の課題と向き合う 上記のようなテーマを持ちながらトライアンドエラーを繰り返す必要があり、小さくてもチャレンジできる数を増やしていくことに有効性を感じています。 私たちのことをよくご存じの方は、約5億円の事業規模を持つNPOにおける「年間16万円の寄付」がどれだけの価値があるのか不安に思われるかもしれません。 しかし、この5億円のほとんどは使用用途が決まっている委託事業や企業との協働プロジェクトによるもので「若者ファンド」ほど、自由度が高くチャレンジに使える原資は極めて限られているのが実情です。 支援の最前線には「数千円あれば、この人にできることはもっとあるのに」と、もどかしくなるケースがあふれています。 支援の場において、子ども・若者たちに、あと一歩踏み込む「余白」がある。 それが支援者にとってどれほどありがたいことか、至近距離で若者支援をウォッチしつづける私は日々痛感しています。 数字以上の価値がここにはあると私は信じています。 今後も、活動報告をこちらでお届けするとともに、新たに見出した支援手法を企業協働に組み込んだり、委託事業の仕様の変更に動かしたり、さらに大きな活動に昇華する取り組みも並行して行ってまいります。 社会全体が揺るがされたコロナ禍の1年。多くの問題が浮き彫りになるなか、私たちを選択してくださったことに改めて厚く御礼申し上げます。 2022年が誰にとっても生きやすい社会に一歩でも近づく1年となるよう、引き続き、ご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 育て上げネット FR担当 山崎

詳しく読む >>

若者支援は非日常ではない。日常の延長線上で若者に自信を持ってもらう活動を行うことができました。

2022/01/13

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 ある支援員に、もし自分の仕事にキャッチコピーを付けるとしたらと問うたとき「遅れてきた青春」という答えが返ってきました。 就労支援のプログラムには面接対策や履歴書のサポート、面接対策のような「働く」ことにとても近い支援がイメージされやすいものかと思いますが、実際のところ、そうした支援は「出口」に向かう支援という言葉で表現されています。支援の段階ではかなり後半に位置するものです。 どこから始めるのか、どんな支援が必要になるかは個々の状況によって違うので出口に近い支援から始める方もいれば「働く」こととは直接的にはつながらないようなこともその過程には存在します。 そうした支援は必ずしも全員が必要とするものではなく、また、それぞれのリクエストに合わせる必要もあり、一般的な公的事業で活動を確保するのは難しくなります。 solioを通じていただいた寄付で実施している社内企画「若者ファンド」では、今回、そうした直接的ではない就労支援についても取り上げています。 昨月、私たちが運営している支援拠点を利用している若者3名と支援員で地域の文化体験ができる場所に行ってきました。 おひとりの方が以前から興味があるけど、ひとりで行くのはちょっと…と躊躇をされていたというお話を聞き、周りに声掛けをして出かけた形です。 3名ともその日が初対面。コミュニケーションは苦手と話している方々ではあるのですが、実際には苦手意識が先行しているだけのような方もいらっしゃいます。 しばらく近しい人としかお話をしていなかったり、もともと友人関係が広くない方にも「自分は話すのが苦手なんだ」と気持ちが優先されていることもあります。 通常の相談支援では、あくまでお話をするための時間なので、どれだけ饒舌に自分のことを話せたとしても自信を持つきっかけにはなりにくく、今回のように、日々の生活の延長線上に「経験の場」が作ることで近道だと考えています。 その後、3人は緊張が解けたのかファーストフード店に誘い合って入っていきました。これも参加した若者のひとりの「普段はいかないところに行ってみたい」という希望に応えたものです。 入るお店が決まったところで支援員は解散して、本人たちだけの時間です。 傍から見れば若い人が街で遊んでいるだけ、そうした普通の出来事が享受できたということが社会のなかで生活していく自信になっていきます。 「働く」という大きな出口に向かって、小さな一歩を積み重ねていく若者たちを、私たちは今後も支えていきます。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 10月の寄付総額は¥24,755、50名以上の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

若者の希望は「見えない支え手」が導く。寄付だからこそ生まれる「説得力」で若者と社会をつなぎたい。

2022/02/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 「みんなひきこもるようになったからちょっと気が楽になりました」 緊急事態宣言がはじめて発出されたころ、私たちのプログラムに参加している若者たちはそうつぶやくようになりました。 <ひきこもり>というと、ある種の病気のような捉えられ方をされることがあるのですが、<ひきこもり>は状態であって病名ではありません。 半年のあいだ社会的な関わりが極端に少ない状態を指しているので、若者のつぶやきはあながち間違っていないように思います。 それはさておき、大切なのは、若者が<ひきこもり>状態を望んでいるのかということです。 本人がその状態を望んでいないのに、そうなってしまっている状況をどうにかしたいのです。 今回もSolioを通じていただいた寄付で実施している社内企画「若者ファンド」からご報告をさせていただきます。 この企画は、事前に定められた「仕様」の制約の存在から、新しい取り組みが生まれにくい公的な支援機関を中心に「もっとこんなことができたらいいのに」という声を挙げてもらい、その活動を実現しています。 ある拠点では月に1回程度、周辺を歩いてまわる散歩の企画を実施しています。 視点を外に向ける、体力づくり、利用者同士での交流促進・・・と意図は多岐にわたりますが、散策範囲に限界を感じていました。 複数名の若者と外出する都合、それぞれの事情が絡み合います。 特に課題になるのは経済的な余裕の差です。 活動範囲を広げるために交通機関を使った移動は支援を行う上で禁じられていません。しかし、その交通費や食費はあくまで自己負担になります。 使える時間はせいぜい3-4時間なので、自己負担は1,000円ほどです。しかし、働いていない方がほとんどですし、保護者との関係性があまり良くない方もいますので、その1,000円を用意することが難しい方は少なからずいらっしゃいます。 そうした個々人の事情があることを鑑みて、寄付を交通費に充て、希望者全員を連れたハイキングを実現することができました。 普段から散歩で一緒に活動しているメンバー全員で動けたことが良かったようで盛況のうちに終えることができました。 若者たちも大人ですから、相互の状況はなんとなく察していて実現が難しいとどこか諦めていたようでした。 みなさんのご寄付によって活動を実現できたことは、若者たちにとっては「支えてくれる存在」を身近に感じられる瞬間であったと思います。 私たち支援者は、どうしても「支援をする人」という属性を備えてしまっているので、若者からみたとき社会一般の人ではなくなってしまいます。 みなさんのような「見えない支え手」の存在こそ、自分に目を向けてくれるはずがなかった社会に希望を見出す光になるのです。 私たちが実現したいのは、若者自身が望む社会とのつながりを実現することですから、今回のような企画から若者たちが社会的な生活に触れられる機会を増やし、冒頭紹介したつぶやきとは真逆の「普通の人みたいにふるまえて気が楽になる」機会を増やしていきたいと考えています。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 22年1月の寄付総額は¥25,725、55名以上の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

「若者のできること」から始める就労支援。働くの全貌がみえる「ワークサンプル」支援で社会とつながる経験をためていく。

2022/03/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。育て上げネットのFR担当の山崎です。 育て上げネットでは、法人の活動をはじめた当初から行っている「ワークサンプル」という支援手法があります。 多くの支援機関で取り入れられる「仕事体験」や「インターン」と異なるのは、関わる業務領域が広い点です。 たとえば、夏休みの時期には、地域のお祭りでお店を出しています。 何を売るお店にするのか、どれくらいの量を仕入れるのか、いくらで売るのか… 「仕事体験」は業務工程の一部を経験することがほとんどですが「ワークサンプル」の場合はより高い視座から物事を考えることができます。 若者ひとりでやることはなく、一緒に参加しているメンバーたち、スタッフが力を合わせて形にしていくこともこの手法のメリットです。 《働き方改革》なんて言葉が流行したのも久しいように感じますが、最近は自作のハンドメイド品の販売やイラストがあればグッズ化できるサービスが流通しています。 この社会の変化は、多くのクリエイターに恩恵があったと同時に、若者たちの「これだったらできるかも」というチャレンジにもつながるようになりました。 「ワークサンプル」と「ハンドメイド」は相性が良く、自分ができることで「働く」経験を始めて、販売、PR、郵送・・・と幅広く経験できます。 地域のお祭りと違って、実施できるタイミングの制限が無いのも魅力的です。 ハンドメイドの場合は、個々人が手掛ける作品のジャンルが違うので、お祭りのようにまとまった財源が用意されるということはありません。 また、働いていない状態の方の場合は資材を買うことが難しいということがあります。 Solioでいただいたご寄付の一部は、こうした「ワークサンプル」支援を具体化するための資材購入にも使用させていただいております。 若者たちのなかには「ハンドメイドで食っていく」という気持ちを持っている方も少なからずいらっしゃいます。 ただ、この支援活動を通じて実際に体験をしてみると、これだけで自立をするのは大変だという方が大半です。 製作活動を続けることと、経済的な自立を分けて考えるようになり週4日はアルバイト、残りの日を製作にあてると決めた方。 製作活動は趣味にして、趣味を続けるための仕事を探すようになった方。 そうして、じぶんのあるべき姿を見つけて前に進んでいく方が多いのも「ワークサンプル」×「ハンドメイド」支援の特徴だと考えています。 自分ができることで社会とのつながりを見出す支援を「働く拡張型支援」と私たちは呼んでいます。 この活動は個別にアレンジが必要な場面が多く、活動資金の調達が難しい側面があるのですが、その有効性は支援者が強く感じており、若者自身の成長にもつながっています。 今後もこうした若者に寄り添う支援を継続してまいりますので、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 22年2月の寄付総額は¥24,015、50名以上の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

10代で中退、孤立した若者を支えるためには「家族」「学校」「支援者」と、あと「SNS」と「ゲーム」が必要だった。

2022/04/13

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 若者はなぜひきこもるのか、ニートになるのか… そんな「なぜ」を聞かれることがたくさんあります。 答えはいつも決まっていて「答えられない」です。 子供若者白書は、就業を希望する若年無業(ひきこもり・ニート)が求職活動をしない理由を調査しています。この調査によると、最も多いのは「病気・けが」ですが、次いで多いのは「その他」です。 その他以外の項目は9つ設定されています。それでも当てはまらない方が多く「たいていはこういうことに悩んでいる」といえないのが若者支援の難しさのひとつです。 そんななか、ある若者が私たちの支援機関につながったきっかけを聞くことができました。 その若者は現在、18歳。高校を中退したとき、≪先生≫から連絡をいただいたのが始まりです。 親子関係の不良もあって、なかなか本人と話すことはできない状態とわかり、最初に始めたのは ≪保護者との面談≫です。 " NPO " という存在の信頼はまだまだ低く、ともすると家庭の事情に介入してくるような私たちを最初から信頼している家庭というのは決して多くありません。何度も面談をして時間をかけ、団体というよりはその支援者を信頼できると感じてもらえてはじめて、一歩前に進むことができます。 この方の場合、次は≪家庭訪問≫でした。意外にご本人は私たちが家に来ることに抵抗はなく、ドア越しでの支援員との会話は成立するのですが、電話やメールでのコミュニケーションがまったくできず、直接のコミュニケーション以外のつながりを作ることに苦心していました。 家庭訪問は効果的であるけれど、外に出る機会を作ったり、支援機関に通えるようになってほしい…と悩んでいたなか、次の段階に進めたのは≪SNS≫の存在でした。 メールも電話もつながらない。けれど、SNSでのチャットには反応してくれることが分かったのです。 しかも、本人から連絡をしてくれました。もしかすると、頑張れるエネルギーがあるときに自分から声をかけて反応をもらえるSNSは都合がよかったのかもしれません。 いま、この若者との話題はもっぱら≪ゲーム≫です。あるゲームを支援員がいっしょにやることで彼とのつながりを作っています。 就労支援が抱える悩みのひとつとして、支援する側、される側という上下が生まれやすい環境があります。 どちらが上なんてことはまったくありませんが、教える立場になりやすい支援員が上になってしまうのです。 けれど、ゲームの世界では若者が上。私たちが教えてもらっています。 支援の場は若者にとってアウェーで、決して楽しい場所でないかもしれません。でも、ゲームという若者にとってのホームグラウンドで支援を始めることはお互いの立場や見えない関係性を詰める絶好の手法なのです。 ひきこもる。ニート状態にある。そんな若者の理由は「その他」にまとめられるブラックボックスです。 それでも、私たちは彼らとのつながりを作るためにできることをも日々模索しています。 先生からの連絡がなければ知ることができなかった 親と支援員との信頼関係が作れたことでご本人と出会うことができた SNSやゲームがあったからつながり続けることができるようになった すべてが若者と私たちがつながるために必要な要素でした。 Solioを通じていただいたご寄付はこうした若者と出会いを作るために活用します。自治体や行政による委託事業では家庭訪問まではできたとしても、その先にあるSNSやゲームでのつながりを作るための費用をまかなうことが難しい状況です。 既存の若者支援の基盤を、若者にとって使いやすく、関わりやすいものとする、就労支援のアップデートのために今後もみなさまからいただいたご寄付を活用させていただきます。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 3月の寄付総額は¥24,260、55名以上の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

支援は若者にとってはアウェー? "働くに至る道 " は個々人のホームからスタートすればハードルを下げられる。「働く拡張型支援」の展開

2022/05/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 私たちは2004年に活動を始めたころから、自分たちの活動を「就労支援」と称してきました。 多くの方にとっては、「働く」ためにするのは「就 "職" 活動」であって、「就 "労" 」という表現はしないですね。 「就労」はどちらかというと福祉的な領域で使われている言葉です。聞いたことがありそうな単語でいえば「障がい者就労」や「就労移行支援」のようなものでしょうか。 そのふたつの言葉は活動範囲の領域が異なります。 「就職」は仕事に就くことなので、そのサポートの方法は履歴書の作成や面接対策、求人検索と極めて具体的です。 「就労」はさらに広い視点で捉え、仕事をしているという状態も含んでおり、働き続けることにも触れています。 育て上げネットは「働く」と「働き続ける」を実現することで望まない孤立状態を変えていきたいと考えています。そうすると就職よりは就労のほうがマッチしているんですね。 「働き続ける」などと書くと、採用が決まった後の継続支援のように聞こえます。しかし、実際にはもっと前、就職活動を始めるための支援にも重要なポイントがあります。 例えば、対人コミュニケーションや仕事経験の無さからくる不安を和らげることです。 少し前の流行語でいえば "心を燃やせ" というところでしょうか。 「働きたい」「就活してみよう」と行動につながるエネルギーはご本人の内側に灯がともらないと難しいのです。 前置きが長くなりましたが、こうしたエネルギーを作るために「働く拡張型支援」という活動をしています。 従来の就労支援で行われてきた「働くに至る道筋」にこだわらず、その概念を拡張して捉えることで、個々人に合わせた道筋の実現を目指しています。 具体的なところでいうと、ご本人がすでにエネルギーを持っていることから支援を始めることがあります。 ハンドメイドやイラスト、動画制作のようなクリエイティブ領域で自分の作品を販売してみたり、プログラミングを学んでWEB制作に挑戦する・・・ようなことです。フットサルや野球、ボードゲームと直接的に仕事とは関係しないと思われるようなこともあります。 大切なのは、行動を起こすこと。そして、そこから何を見出すことができるかです。 ハンドメイドで販売を経験した方のなかには「やっぱりこれは趣味にします」と食い扶持と切り分けた人もいれば、実際にオンラインショップを開設した方もいました。 プログラミングを学んだ方はインターンでIT企業に行き、そのまま就職活動に進んだ方もいれば、「やってみて向いていないと分かった」とむしろパソコンをあまり使わない業界を目指すことにしました。 私たちはこうした活動を「支援」のなかで行うからこそ、失敗できるし、気付きを得て方向転換が容易にできると考えています。 従来の支援活動というのは、私たちが運営する支援拠点に来所してもらい、そこでこちらが提示する支援プログラムを受けてもらうことが常でした。 もちろん、そのプログラムで多くの方を支えることができています。 ただし、すぐに働くを意識できない人にとっては「働く拡張型支援」のような、若者が興味を持っていることに私たち支援者側が歩み寄り、ご本人のホームで活動することが必要です。 支援者にとっては未知の領域に踏み込むエネルギーが必要ですが、従来の活動と比べれば、若者側のハードルは下がっていることは利用申し込みの数などを見ても明らかです。 「働く拡張型支援」の効果は感じていますが、現状、公的な事業で展開することは難しい側面があります。公共事業は「できること」がまとめられた仕様を超えた活動には事業費が適用できないなどの制約があるためです。 Solioでいただいたご寄付は「働く拡張型支援」の展開に必要な、資機材の購入や交通費等の補填など予算措置が難しい支援活動に活用させていただいています。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年4月の寄付総額は¥24,560、50名以上の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

「見ず知らずの人」から「相談相手」にクラスアップするために、私たちは「支援しない日」を作りました。

2022/06/13

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 新型コロナウイルスによって自粛していた多くのことを少しずつ取り戻しつつある日々。 私たち若者支援のフィールドにもその活気が高まっていることを感じています。 多くの対面支援の活動ができなくなった2020年の初頭、私たちは「ランパーティ」という新しい活動を始めていました。 もともと「ランパーティ」というのは、広いスペースにパソコンを持ち寄って、そこでゲームで遊ぶイベントです。インターネットが今のように充実していなかったころは、オンライン対戦は不安定で環境を作るのも大変だったので、人が集まったほうが効率的だったのです。 この「集まって」「ゲームをする」というところに着目して始めたのがこのイベントでした。 私たちは普段「支援」をしています。 それは悩みや困りごとの相談や、地域の力を借りた仕事体験などを指します。 「支援」はとても大切なことです。ひとりで悩む必要はないし、私たちに話してほしい。そう願っていますし、その技術にも自信をもって活動しています。 問題は「支援を受ける(相談する)」とき、私たちは選択肢に入っていないということです。 みなさんが困ったときに誰かに相談するとして、見ず知らず人を挙げる方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。 私自身、困ったときには信頼できる友人や家族、会社の同僚をまず思い浮かべます。 よく初回の相談で「ネットで検索してこんな団体があるんだと初めて知った」と言われますが、まさにその通りで若者支援の団体の存在自体が認知されていないのです。 どれだけおいしい料理を作る飲食店も、知られていなければ食事を提供できません。 私たちはいま、この「知ってもらう」活動を積極的に行っています。 「ランパーティ」のコンセプトは「支援をしない」です。 この日はゲームを中心に自分のやりたいことをできる時間と場所を提供しています。 スタッフも一緒に遊びます。遊ぶのが仕事です。 支援うんぬんの前に、私たちの存在を知って欲しい、そしてスタッフや場所に安心感を持ってもらいたい。 できれば「相談したいときの選択肢に入る」ことができたらありがたい。 そんな気持ちでランパーティは始まりました。 始めてみると、不登校状態の子や今まで利用を渋っていた若者が興味を持って顔を出したのです。 同じ場所で同じスタッフがやっていることですが、切り口を変えたことで得られたこの経験は「支援」という言葉のもつイメージとハードルの高さを改めて感じさせられる機会でもありました。 日常を取り戻しつつあるいま、また「ランパーティ」再開のための準備を進めています。 「支援」という言葉を介さず、若者たちとの出会いの場は、行政から委託する事業ではまかなうことができません。 Solioでいただいたご寄付はこうした若者との出会いの場創出のための、資機材の購入などにも活用させていただいています。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年5月の寄付総額は¥25,580、59名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

「申請主義」という難題と申請を伴わない支援を実現する寄付の力

2022/07/15

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 先月、SNSでもトレンドになるような大きなニュースがありました。 東京都江戸川区で行われた「ひきこもり」の大規模調査によって、社会的な孤立状態にある方々の考えていること、困っていること…そうした実態の一端が見えるようになりました。普段、こうした若者支援の問題に触れない方にも情報が届く機会であったと感じています。 このなかでも、大きく取り上げられたのは当事者の方が「求めていること」に関する項目で「何も必要ない、今のままで良い」という回答が実に32%に及んだ結果でした。 ほとんどの支援活動は「申請主義」と呼ばれる仕組みです。ご本人が「私は困っている」と自覚し、困っていると伝えていただいて初めて、私たちは支援活動を始めることができます。 困っているかどうか…それは主観的な判断です。 客観的にみて、今すぐ何かしらの支援が必要だと思う状況にあっても、本人にその気持ちがなければ形になりません。 これは生活保護などのセーフティネットの活用でも課題となっています。昨年、菅元総理は国会の場で生活苦を抱える方の対応について「最終的には生活保護という仕組みがある」とした旨の答弁をされていました。 この「最終的」という言葉の受け取り方は個々に異なります。ソーシャルワーカーや担当者が、この方は対象だろうと考えたとしても、その方自身が「自分は違う」と感じたら制度が利用されることはありません。 かといって、私たちが必要だからと勝手に支援を始めることはできません。当然、その方には選択する権利があり、守られるべきだからです。 この申請主義とどう向き合っていくか…という課題が常に付きまといます。 育て上げネットでは、この申請の段階を限りなくラフに、あいまいにする取り組みを続けています。 以前よりここで報告してきたように「支援しない日」を作って、遊びや娯楽を通じて関係を作ってみたり、ハンドメイドやスポーツなど一見して「いわゆる支援」とは思われないコミュニティのなかで関係を始めています。 「支援する/される」関係ではなく、知ってもらうこと、話し相手になることが、ひとつの活路だと考えています。 一般的にイメージされる就労支援というのは、自分自身が経験したことがあるであろう面接対策や履歴書の添削、求人の斡旋のようなことかもしれません。それが自分にとって必要で、その段階から始められる方もいればそうでない方もいらっしゃいます。私たちのようなNPOの活動はまさに「そうでない方」をどう支えていくかという点にあります。 申請主義を超える、まったく別の側面からアプローチする活動は、公共の事業では取り扱いにくく、Solioを通じていただいたご寄付によって実現してきています。 試行的な活動も多く、ともすると受益者は1名しかいないかもしれない活動もあります。しかし、その1名が社会とつながるきっかけを確実につくることができていることをご報告させていただきます。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年6月の寄付総額は¥24,785、54名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

委託事業費が約7割を占めるNPOの寄付の使い方-2階建ての2階部分を充実させるアプローチ

2022/08/09

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。育て上げネットのFR担当の山崎です。 solioを通じていただいた寄付は、社内企画「若者ファンド」で活用しています。 年に2回、スタッフから「こんなことに使いたい」という提案を集め、できるだけ多くの活動が実行できるように分配してその進捗状況を確認します。 集まってくる提案からは、"現場" の悩みがうかがえます。 若者支援の多くの事業は自治体や行政からの委託事業がベースです。毎日のように開所できるのはこの委託事業の財源があることが大きな要因です。 委託事業の最大の特徴は仕様書があることです。 仕様書にはできることが明記されています。裏を返すと「書いていないこと」は難しい…のが基本です。 みなさんが納めた税金ですから、当然、好き勝手できるわけではありません。 ただ「書いていないこと」のなかには、一部の若者には必要なことや、税金であるがゆえに実現しにくいことも含まれています。 これまでも報告してきた「仕事体験にクオカードをつける」「テレビゲームを使った交流」「仕事体験を伴わない娯楽」は、委託事業で支出するには公共の観点から説明が難しい…のです。 「もっといい方法で支援ができる」という欲求 「この仕様ではできない」という制約 このジレンマを解消するには、仕様による制約を越える必要があり、その手段が「若者ファンド」です。 実は、高い壁になっている仕様書をよく読んでみると、団体独自の活動を行うことは許可されているものが多いです。 自分たちで準備をしっかりすれば「オプション」のような形で実現するのです。 私たちはこの寄付で実現するものを2階建ての2階部分のような捉え方をしています。 1階は委託事業そのもの。基本的なことは委託事業をベースに、2階は自分たちで改築して付け足していく。そんなイメージです。 7月にはスタッフから「第4期若者ファンド」の提案を募り、今月から新しい活動がはじまります。 これまでも出てきた継続の企画やまったくあたらしい提案も出てきています。 また来月以降はみなさまからお預かりしたご寄付の活用状況についてご報告いたします。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年7月の寄付総額は¥25,785、57名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

ひとり平均約456円の寄付が、視察が止まらない活動の礎になる。私たちの取り組みの発展・未来について。

2022/09/12

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。育て上げネットのFR担当の山崎です。 通常、こちらではみなさまからいただいた寄付を活用している事業「若者ファンド」についてのご報告をさせていただくことが多いのですが、第4期の公募から決定をした段階でまだあまり動きがないため、こちらの報告についてはまた次月以降、お伝えできればと思います。 先日、育て上げネットでは全職員が参加する会議が行われました。2004年から活動を始めた私たちにとって、20周年が近づくなかでこれからの私たちについて、それぞれの想いを話す機会となりました。 私たちの特徴のひとつは「若者支援の百貨店」ともいえるような、バリエーションの広さがあります。周りのNPOや支援団体を見渡してみると基幹となる支援プログラムを発展させたり、対象となる社会課題はひとつということが多いですが、私たちは非常に幅が広いジャンルで活動をしています。 最大規模の活動は、もちろん若者への支援ですが、未成年の子どもや保護者への支援も行っていて対象は縛りがありません。 支援プログラムも対面・オンライン・出張…とさまざまなレパートリーがあります。 この「幅の広さ」は私たちの大切な個性だと自負していますが、みなさんにとっては「育て上げネット」が何をしているのかわかりにくい部分もあるのではないかと申し訳ない気持ちにもなります。 私たちはよく「ひきこもり」「ニート」の支援をしていると思われがちです。でも、実際には「すべての若者」が対象です。 どういった困り方をしていても、社会から孤立してしまっているのであれば、私たちにできることはあるのかと探り始めるのです。 そうしていくうち、賛否両論ある問題や、社会課題としてメジャーでないことにも関わるようになってきています。 会議では、それぞれが所属する拠点のなかでの事情が話されましたが、去年までは無かったような若者の悩みや困りごとの話が聞こえてきます。 もともとあったのか、社会の流れのなかで新たに生まれたのか、それはわかりません。ただ、そうして新たな悩みと出会うことができたのは、私たちが関われる若者像がまたひとつ増えたのだと嬉しい気持ちになります。 冒頭に書いた「若者ファンド」はまさにこうした新たな接点を持つ機会に使われやすいものです。 私たちの活動の発展プロセスとして、良い活動は公共化するアプローチがあります。 例えば、パソコン講座のようなスキルセットが有効であるとわかれば、それを全国の支援機関で低コストで実施できるように公共の力を借りて発展・拡大するということです。 若者ファンドはそうした活動の最初の部分、受益者は1人かもしれないけど、1人いるならやってみようという挑戦の機会となります。 成果がでれば少し規模を大きくして、需要が大きいようなら企業や自治体に声をかけて…と拡大していくのですが、この流れを作るには最初の1人目がとにかく重要でその支えになるのが若者ファンドです。 今月ご支援いただいた寄付をひとりあたりの平均は約456円でした。 大きな金額ではないと思われるかもしれませんが、山から川に、川から海にと大きな流れを作っていくための最初としては十分な金額です。 「働く拡張」というプログラムは、いまや数百万という事業規模での活動ができるようになりましたが、当初はみなさまからの寄付を原資にしながらチャレンジを始めました。他NPOや行政から注目を集める若者たちの居場所「夜のユースセンター」も最初は事務所にボードゲームを設置するところから始まり、その原資も皆様からの寄付が大半でした。 大きな活動となるには、たくさんの試行と知ってもらう機会をつくる必要があり、どんどんと大きくしていくのは難しいですが、そうしてチャレンジしてきた結果、私たちの活動はこれだけ幅広く、すべての若者に向けて活動をし続けることができるのだと思います。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年8月の寄付総額は¥24,625、54名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

できれば誰にも見られたくない履歴書に「自分史上最高の一枚」を載せられるなら就活が苦しくなくなるはず ― 公金に寄付を合わせたら仕様の壁を越えて支援ができます

2022/10/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。育て上げネットのFR担当の山崎です。 Solioを通じていただいた寄付は社内のチャレンジ企画「若者ファンド」に活用しています。 私たちの活動拠点のひとつで「証明写真」の撮影会を開きました。 海外では履歴書に載せる情報はずいぶんスマートになってきているようです。性別であったり学歴などパーソナルな部分をわざわざ書かないそうで、ブランク(空白)ができがちの若者のことを考えると、日本でもフォーマットが変わっていくと良いのになと思うところです。 履歴書のなかでも、若者が乗り気でないのは「証明写真」です。 ブランクがあっても、それを納得してもらえるように話す練習は何度でもできます。支援スタッフも対策に慣れていますし、変な話、そこで納得してもらえない会社では、入社後にうまくやっていけるか心配になります。 ただ、証明写真のケアは難しいところがあります。 ほとんどの方は証明写真機で撮影したものを使用しています。費用面のこともありますが、写真屋さんに行くのが億劫な気持ちはわからないでもないでしょう。 カメラの性能は挙がって、画質の心配はありません。 事前にレクチャーができますから「スーツを着ていこう」とか「アルバイトなら白のシャツ」とかお作法も伝えることができます。 ただ、それで「いい写真」が撮れるとは限りません。 みなさんも経験されたことがあるのではないでしょうか。 証明写真で「自信のある写真」を撮るのは難しいのです。 ブランクがある、学歴や職歴、資格欄にも自信があるわけでもない…、若者たちにとって履歴書は決して見てほしいものではありません。それに加えて写真が追い打ちをかけてしまうとなると、就活にかけるモチベーションは下がる一方です。 育て上げネットでは、この履歴書に自信を持てるような取り組みを続けてきています。そのひとつがこの証明写真の撮影会です。 カメラマンに来ていただき、簡易スタジオを立ち上げます。若者たちにはいつもどおり支援拠点に来て、良質な写真を撮ってもらうことができるのです。 撮影にはスタッフが常駐して身だしなみをチェックしています。 スーツは寄贈いただいて各種サイズを貸し出せるように用意、メイク道具や髭剃りも一通り揃えています。 若者たちは「来るだけ」で最適な写真を撮影できます。 写真機との最大の違いはやはりカメラマンの存在です。 表情の作り方や誠実さの伝わるイスの座り方、個々人の立ち振る舞いのクセまで見抜いて本人にレクチャーをしてくれます。 撮影が終わって部屋を出てきた彼らの表情は明らかに違います。写真のできあがりを見るまでもなく「いい写真」が撮れたことが伝わってきます。 自信は、裏打ちされた経験や実績から育まれる側面もあります。就職活動に挑む若者に「これだけ準備したから大丈夫」と前進するため面接対策も、企業研究もサポートできますが、履歴書だけは私たちだけでは限界があります。 だからこそ、スタッフが太鼓判を押した身だしなみで、本職のプロの指導のもとで撮る、そんな経験が必要なのです。 写真機で撮った急ごしらえの自分ではなく、時間と手間をかけた自分で一次選考に臨みたいというのは当たり前の感情のように思います。 今年は7月末に撮影会を開き、9月までに5名が就職を決めました。 もちろん、本人の努力があってのことですが、そのチャレンジに花を添えられたと考えています。 このプロジェクトは1度実施するにあたり5万~10万円ほどの費用がかかります。カメラマンには日に20-30名ほどの写真を撮ってもらい、さらに選定・修正を依頼します。そのほか、メイク道具など消耗品もあります。 行政から委託する事業でも外部資源の活用は認められており、講師依頼をすることは可能です。問題は依頼料の上限が極めて低い価格で設定されていることにあります。例えば、厚生労働省が運営する地域若者サポートステーションでは、講師謝金が日額1万円までとされています。 謝金の多寡と講師の質が比例するわけでないので、一概にはいえませんが、少なくともカメラマンを1日出張させ30カット近く撮ってもらうとしたら、少なくとも1万円では呼べません。 Solioでいただいたご寄付はこの上限1万円から超過した分に充てさせていただきました。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年9月の寄付総額は¥23,635、51名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

コロナ禍で自粛してきた、飲食の提供が復活。進学も就職も決まっていない学生のアウトリーチを実現しました。

2022/11/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。育て上げネットのFR担当の山崎です。 先日、日本と同じように若者の孤立・無業の問題を抱えている海外からの視察依頼がありました。新型コロナの流行前には年に何度かあった交流も失われていたことを思い出し、自粛されてきたものが少しずつ動き出すのを感じています。 社会の動きはもちろん、支援の現場でもひとつの変化が訪れました。 私たちは高校に直接おもむいて、学生と関わる機会をいただいています。 高校では進学も就職もあり、幅広い将来を考えるタイミングを迎えています。小中学校ほどではないにしろ不登校になってそのまま中退に至る方もおられるのです。 私たち支援者の立場からみると「学校に通っている」ときは「声をかけやすい」ときでもあります。 例えば「ひきこもり」状態になると、私たちから声をかけるのは非常に難しい状況となります。どこにいるかわからないので、支援プログラムを始めるきっかけを本人に任せるほかに手段がなくなるのです。 学校に通っているうちに支援を始めることの最大のメリットは「声掛け」が圧倒的に容易であることにあります。先生や友人とのつながりもあってサポートをスタートしやすいのです。 NPOと学校の連携で「居場所カフェ」などと呼ばれる手法がよく見られます。 校内のスペースを借りて、飲み物や軽食のある簡易なカフェを作ります。相談員が在中して、そこで接点を作ります。無理に相談を強要することもなく、最近はボードゲームなどを活用しているケースも出てきています。 コロナ禍でも高校での支援は続けてきていたのですが、長らく飲食物の提供はできませんでした。飲食物がないからといって、彼らが来てくれなくなるわけではないのですが、声をかけるきっかけが減ってしまいます。「気軽さ」の演出の意味でも、ラフな印象は受けにくくなってしまいます。 先日、飲食が解禁されて1回目のプログラムを実施しました。飲み物やお菓子を用意して、来てくれたのは25人。 対応したスタッフには滞在する時間や会話が発展していく実感を感じています。 高校生の就活はもう終わりに近づいていて、年が明ければ大学進学もまとまっていきます。 進学も就職もしない若者の悩みが明らかになってくる、今のタイミングで居場所カフェがしっかりと機能するようにな体制を整えることができています。 提供している飲食物などはみなさまからいただいた寄付をによってまかなわれています。 ご支援によって若者が社会との接点を失う前の段階で関わることができるようになっていることに御礼申し上げます。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年10月の寄付総額は¥24,305、54名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

「若者が応募してこない」と悩む企業に、履歴書や面接ではないまったく別の就活を提案する。「社会と若者をつなぐ」ために構造を変える挑戦をする。

2022/12/09

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 私たちは「若者と社会をつなぐ」というミッションで活動しています。 社会から孤立している若者が仕事に就いたり、学校に通うようになったりと社会とのつながりを作っていく意味がありますが、それと同時に、会社や企業のみなさんに理解を深めていただくことも意識しています。 地域密着の中小企業や町工場のような会社から「若者に選んでもらえない、そもそも見つけてもらえない」という声をよく聞くようになりました。 特にBtoBで一般的にはあまり知られていない会社は非常に苦戦を強いられています。 現在、私たちは拠点のある活用エリアを中心にそうした「働き手がいなくて困っている」という企業との関係構築を進めています。 求人サイトに挙がっている情報やハローワークの求人一覧からスタッフが個別に連絡をして、まずは私たちがその会社との関係性を作っていくのです。 関心を寄せていただいた会社にはスタッフがお邪魔して業務内容や働いている方々の人となり、会社の雰囲気を実際に見させていただいています。 「ここだったら安心して紹介できそうだ、働き続けられそうだ」と思える会社を探してくるのです。 困っている若者のなかには文字情報だけでは不安で踏み出すことができない方もいらっしゃいます。 そこで「こういう会社であなたに合っていると思う、一緒に見学に行ってみない?」と提案。 具体的な就活を進める前の段階を作ることで若者のハードルはぐっと下がるのです。 会社側からみても、この見学にはメリットがあります。 大抵、最初は不安を持たれています。「ひきこもり」と聞いただけでその言葉のイメージに引っ張られて心配されているのです。 見学のタイミングを設けることで「ひきこもり」という言葉ではなく、当人自身との付き合いをしていただくことで印象を大きく変えられるのです。 実際、この見学を通じてすぐに就活を進めることになった方やその場で採用を決めた人事の方もおられました。 一般的な採用フローであれば履歴書を送って、面接をして…となりますがまったく異なる展開を作ることができています。 私たちをパイプにして就活を進めたある方は「スタッフの●●さんの紹介だからやってみようと思えた」と話してくれました。 これまでたくさんの方を支えてきたスタッフの審美眼を信じて一歩を進めてくれたのであれば、こうして段階を踏んでいくことに大切な意味があると感じています。 「若者と社会をつなぐ」だけではなく「社会と若者をつなぐ」活動を進めていくことは、就活採用のような既存の社会システムを違う視点からとらえることで若者が一歩踏み出しやすい社会を作っていくことでもあります。 今後も企業とのつながりを構築していくことで、若者が安心して働ける場所の拡充を行っていきたいと考えています。 早いご挨拶になりますが、2022年も皆様のご支援のおかげでたくさんの新しい活動を展開することができました。来年も引き続きのご協力を賜りますようお願い申し上げます。 【ご支援に関するご報告】 2022年11月の寄付総額は¥24,005、51名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

【2022年のご報告】前年比180%の寄付御礼・活動を補強する「若者ファンド」が支援のハードルを下げています

2023/01/06

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 昨年もみなさまのご支援を賜り本当にありがとうございます。 solioを通じていただいた寄付は、支援の最前線にある小さな課題を解消してきました。 就職活動に直結する証明写真撮影のプログラムや、仕事体験イベントの実施、高校生のための校内カフェなど・・・若者と支援者にとって支援の充実度が高まっています。 毎回の報告で書き続けておりますが、こうした活動は基本的な支援のプラスアルファになります。 相談や就活サポートなど「働く」や「働き続ける」といった明確なゴールに直結する支援があるなかで、その道筋を補強するような活動です。 正直なところ、なければ支援が成立しない・・・わけではありません。委託事業がベースにある以上は必要不可欠なものは含まれています。 大切なのは、必要不可欠なものが用意されていれば利用してもらえるほどシンプルではないということです。 参加してもらうハードルを下げていくこと、とりあえずその場に来てもらうこと。 本人たちの悩みや困りごとが「(一見して)働くとは関係ないこと」であっても聞ける環境を作っていくこと。 そうした取り組みが支援のハードルを下げていくことにつながります。 ありがたいことに2022年は652名の方から29.5万円のご寄付をいただきました。 前年と比べて1.8倍の寄付額となっており、若者の未来に目を向けてくださるみなさまの存在を感じています。 育て上げネットのなかでは「若者ファンド」という名称で親しまれるみなさまからの支援が、これからも若者たちの可能性を支えるものとなるよう法人スタッフ一同、今後も活動を継続してまいります。 今後も、こちらの活動報告のページを使って、私たちの活動についてご報告させていただきます。 重ねてご支援の御礼を申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 【ご支援に関するご報告】 2022年10月の寄付総額は¥24,590、53名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

3200万人の若者のうち、16人に1人が働きくても働けない。「みんな」が若者を支える社会に向けて。

2023/02/03

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 コロナ禍に陥る前は若者支援のことを学びたいからと海外からの視察も多くありました。しばらくそうした交流は止まっていたのですが、交通機関の緩和が進んできたようです。 日本と同じように、若者の社会的な孤立が課題化している韓国からの視察や問い合わせがグッと増えてきました。 世界中で若者(YOUTH)は社会課題のテーマのひとつになっています。日本と同じように社会から孤立していく若者の存在は無視できなくなってきているようです。 日本がそうだと断定するほどのエビデンスはありませんが、日本の若者支援はかなりの部分を公的な資本が占めています。 育て上げネットも年間の活動費の半分以上は行政・自治体からの委託事業です。 海外の場合はそれに加えて企業からの支援も積極的に行われています。 働いていない人が増えることで、直接的な影響を受ける金融業界は非常に敏感に動いています。 最近はリスキリングの意識も高くなり、例えばマクドナルドは高校卒業支援や大学の学位取得など、直接的には関係ないと思われるような支援も盛んにおこなわれるようになっています。 日本ではそうした意識はまだ希薄な状況です。 優秀な人材を確保するため奨学金の返済を肩代わりする企業がニュースに取り上げられていましたが限、まだ定的です。 若者を社会全体で、多様なリソースを活かして支えていくことが、重要になっていくのではないかとみています。 「ひきこもり」や「ニート」状態にある方々の支援は、社会福祉のように考えている方が多いのではないかなと思います。 公的事業が多いこともその要因背景にはあるのかもしれません。 ただ、私たちが出会う多くの方は支援や介助を常に必要とする方々ではありません。 一時的には伴走する存在がいたほうが良くても、どこかで自立していくことができる方々です。 本人の望む自立を実現していけば、孤立することのない社会を実現できれば、社会全体で負担している公的事業の規模は減らしていくことができます。 そうした意味でも、私たちは「若者支援は社会投資」と捉え、活動を続けています。 いま「働きたくても働けない若者」は約200万人いると試算しています。 若者人口が3200万人いるので、1/16人がそうした境遇に置かれています。 この割合を少しでも減らしていくためには、NPOや公的な力だけでは足りません。 昨年から私たちは若者を一緒に支えていく仲間を集める活動をスタートしました。 行政・自治体が取り組むものから、もっとたくさんの企業や個人が一緒に携わることができるものへと形を変え、関わるポイントを増やしています。 Solioを通じたご寄付も、同様に若者支援に関わることができる一つの手段です。 ぜひ、今後ともご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年1月の寄付総額は¥22,355、50名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

自粛解禁で取り戻したい「みんなで食事」の取り組み。知られたくないことを知られないようにする配慮。

2023/02/22

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 多くの支援現場で、自粛されていた活動が戻ってきています。 特にオープンになってきたのは飲食の面です。黙食のお願いやアクリルボードの設置と支援拠点でも配慮される面が多くありました。 食事は若者支援の特に「居場所」と呼ばれるスタイルでは重要な支援要素です。 コロナ禍に陥る以前は「みんなで食事」を強く意識して食事を提供してきました。 インスタントの食事に偏っている方や過食や小食、偏食…と個人の課題につながる客観的な情報が見えてくることもあります。また他のメンバーと一緒に食べるのか、ひとりになりたいのか、そうした傾向を知るきっかけにもなります。 支援はひとりひとりの状況を支援員が観察したことを源泉に「見立て」をしています。個々人の側面の情報を得るためには、相談や仕事体験のような具体的な支援とは別のところにもヒントがちりばめられているのです。 逆に言えば、それだけ食事というのはセンシティブなことが含まれています。 知られたくないことも否応なく見えてしまうのです。例えば経済的な余裕がないときにはカップラーメンなどできるだけ低コストで抑えようとする方がいます。 「ラーメンが好きだから」という方ももちろんいらっしゃいますが、「親への負担を少しでも減らしたい」「親が食費を出してくれない」そんな声の方が多いように思います。 こちらの活動報告でも何度も書いてきましたが、若者支援というのは必ずしも喜んで利用する場所ではありません。誰かに頼るのは申し訳ない、自分の嫌な部分を人に知られたくない。そう考えている方が多いのです。 ネガティブなものが積み重なっていくと、次第に利用の足取りが重くなって来られなくなってしまう…そうしてさらに孤立を深めてしまうことは避けたいのです。 わたしたちはそうしたネガティブな要素を避けるため「みんなで作る・食べる」を推進してきました。会社の食堂のようにある程度決まった料理をみんなで食べるのです。 まず、経済面の差が見えにくくなります。食べるものに差が出なくなるので気兼ねすることが減ります。そして、健康面でもバランスのとれた食事が提供できるようになるのもポイントです。インスタント食品ばかりが続くのはできれば避けたいですね。 大人数の食事を作るには互いの協力が必要になりますから、ある種の仕事体験に近いのですが、仕事体験と違って抵抗が少ないのも良いです。 お昼にみんなから「おいしい」と言ってもらえるので短い期間で成果まで見えるので実感ももちやすくなっています。 いま、多くの社会で日常を取り戻している段階にあると思います。私たちの活動も例外なく、3年間、できなかったことにもう一度取り組んでいきたいと考えています。 みなさまからいただいたご寄付はこうした日々の支援活動に活用させていただいております。 私たちの活動に特効薬のような誰にでも当てはまる解決策はありませんが、地道な活動を小さく重ねていくことで多くの方が社会とのつながりを見つけていっています。 ぜひ、今後ともご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年2月の寄付総額は¥22,355、50名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

「推計146万人のひきこもり」のデータに隠れている、支援サービスの認知度の問題。「知ってもらうための活動」が重要になってきました。

2023/04/06

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 昨日、内閣府の調査で国内の「ひきこもり」と呼ばれる方が146万人いると推計されました。年齢別の割合では若者(15-39歳)は1.57%→2.05%に拡大しています。結果資料を読み込んでいくと、この背景には新型コロナウイルスが挙がっていることも今回の特徴的な結果と言えるでしょう。 今回「146万人」という数字がSNS上で広まったのですが、この調査ではさまざまな観点からデータが掲載されています。 そのなかでも着目しているのは「育成支援機関等の認知度」です。 行政や自治体が展開する支援制度は、実はかなり多様です。支援に携わる私たちでも把握しきれないほどバリエーションがあります。 議員さんや現場の声が反映されていくことは良いのですが、その存在を知られていないということも大きな課題と捉えています。 量子力学の世界には「非実在性」という考え方があり、「発見されていないものは存在しない」ということだそうなのですが、まさにそうした支援制度・サービスもあります。 例えば、SNSでトレンドにもなった「ひきこもり」のサポートをする支援機関「ひきこもり地域支援センター」の認知度は10.5%にとどまりました。全都道府県・指定都市の67か所に設置されている比較的大きな施策ですが、認知度は10人に1人にとどまっています。 最も認知度が高いのは「職業安定所などの就労支援機関」でそれでも61.3%にとどまっており、実に4割の若者はその存在を認知していないことが分かります。 日常的に支援活動に関わり、毎日のように利用相談のある環境に身を置いていると、あたかも自分たちのことは知られているような錯覚を起こしてしまうのですが、自分の学生時代や20代のころを思い返すと、ひとつとして名前を挙げられなかったではないかと反省します。 私たちはこうして存在を知ってもらったり、支援利用を促す工程を「アウトリーチ」などと呼んでいたりします。 その手法はさまざまあり、個々のご家庭に支援員が訪問するようなミクロな活動から、学校に行って何百人という若者を対象にした認知拡大のためのワークショップなども展開しています。 みなさまからいただいたご寄付もそうした「知ってもらう」ための活動に充当していることもあります。 これまでの報告で触れた、学校内での居場所カフェの運営などもそれにあたります。 この調査では認知度以外にも「利用意向(利用したいと思うか)」という項目も設定されています、このデータによれば男性57.3%は支援機関を利用したいと思っていないということが明らかになっています。 存在を知ってもらえたとしても、利用したいと思われていないことについてはまた来月の記事で書こうと思います。 今後も、若者支援にまつわる情報をお伝えしてまいります。 ぜひ、今後ともご支援をいただけましたら幸いです。 【補足】 メディアが展開した記事に情報ソースが書かれた記事が少ないように思いました。参照元はこちらです ■こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度) https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/r04/pdf-index.html 【ご支援に関するご報告】 2023年3月の寄付総額は¥22,895、47名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

「安全なギグワーク」が若者の働く自信を育む。講座受講の第2ステップを用意する。

2023/05/11

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 23年度もはじまり、育て上げネットは20年目の活動をスタートします。 2004年の活動を始めた当時から、多くの支援プログラムのゴールに「働く」が設定されています。 その理由には ①経済的な自立 ②社会のなかで役割を持つ が達成しやすいからです。 私たちの活動のなかでも長期にわたって「働く」は「雇われる」とほぼ同義でした。 アルバイトにしても、社員登用にしても、なんらかの会社に所属する必要があります。 この「雇われる」が多くの方にとってハードルになっています。 就職活動のことを考えなければならず、そのためにはたくさんの準備が必要です。 就労経験が少ない方も多く、頑張っていてもいわゆる「お祈りメール」に悩まされる方もいらっしゃいます。 高いハードルを越えるには、少しでもステップを積み上げていくことがポイントになります。 そのひとつが私たちがいま取り組んでいる「ピンポイントの仕事」を作っていくことです。 最近では「ギグワーク」という言葉も浸透しましたが、いきなり雇われるのではなく、単発の仕事を体験する機会創出に挑戦しています。 例えば、3カ月ほどの時間をかけてITスキルを身につける支援プログラムに参加した方に、次の講座を実施するときのサポートをお願いしました。講座で学んだことを活かして、次は教える側に回るのです。 自分が受けた講座だから何を教えるかわかっている。 スタッフも一緒に参加している。 そんな安全を確保された場所で一緒に参加してもらいます。 これはボランティアではなく、お仕事として受けていただいており、謝金をみなさまからいただいた寄付でお支払しています。 自分が勇気を出して支援に参加して得たスキルが活かせるのも重要です。 就職活動ではまったく異なる業界・職種を目指す方も多いので、やってきたことを活かせる機会があることも達成感につながるのです。 「ギグワーク」の考え方が広まってきたことで、こうした単発の仕事だったら・・・とチャレンジする若者が増えてきました。 これは私たちにとっては「支援」の枠組みですが、報酬が出せる支援は稀です。 自由度の高い寄付をみなさまから預かっているからこそ、この活動が成り立っています。今後も、若者支援にまつわる情報をお伝えしてまいります。 ぜひ、今後ともご支援をいただけましたら幸いです。 今後も、若者支援にまつわる情報をお伝えしてまいります。 ぜひ、今後ともご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年3月の寄付総額は¥23,055、47名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

公民タッグで若者を支える。若者の「やりたい」を「やってみる」に変えて自信を育む支援プログラムを実施しました。

2023/06/05

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 私たちは自分たちの活動を説明するとき「若者の就労支援」という表現をすることが多いのですが、これは誤解を招いていそうです。 就労の支援≒働くための支援ではあるのですが、これはかなり広域的です。 多くの方にとっては転職エージェントのようなイメージが強いのかなと思います。いわゆるキャリアコンサルティングや求人紹介のようなものです。 実際の場の「就労支援」はより総合的な関わり合うための支援が展開されています。 直近であった事例をお伝えします。 10代の女性がある拠点に相談に来てくれました。 彼女は「ネイリストになりたいけど、学校でうまく人と関われなくて不安なんだ」と話してくれました。人と接することそのものは嫌いではないのですが、自分が入っていくことで誰かを不快にしてしまうのではないかと悩んでいたのです。 本当にネイリストになるかどうかは別にして、せっかくやりたいことがあるのなら、まずはやってみてはどうだろうかと提案。 おなじ支援機関の利用者さん向けのネイル講座を開くことにしました。 ご本人にとっては他者に教えるのもはじめてのこと。かなり緊張もされたようですが、意欲高くプログラムを展開してくれました。 必要なネイルジェルを買い集めたり、講座で挑戦するネイルのデザインを自分で作ってくれたり…そこには強い制作意欲と集中力を感じたと担当した支援スタッフも話しています。 参加した利用者にはネイルを初経験の方もいて、楽しそうに参加していたのをみられたことも良い経験になったようです。 就労支援は必ずしも即就職のための支援だけではありません。人と関わっていく、いきたいと思える自信やその根拠を地道に育んでいくことも必要な過程です。 こうした支援活動は公共事業の費用だけでは実施が難しいこともあります。自治体から指定されているルールのなかではネイルジェルの購入や謝金の支払いに限界があるからです。 一報で、多くの公共事業は受託した団体が独自で講座を実施することを認めています。みなさまからのご寄付を活用することで、公共と民間の力を合わせて若者をさえていくことができます。 Solioを通じた寄付を活用することで、私たちが運営する多くの拠点で公民タッグの規格が実行されています。ぜひご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年5月の寄付総額は¥23,055、47名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

若者に信じてもらえる支援拠点を目指して。大勢に当てはまる支援でなく、ひとりの若者のための支援を実現する寄付活用

2023/07/07

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 私たちの活動の根幹にあるのは、信じてもらうことにあるように感じています。 先月の活動報告でご報告した、ネイリストを志望する10代の女性に継続的な支援を行っています。 学校で同級生や先生とうまく関われず、コミュニケーションには苦手意識のある彼女が講師となって、他の利用者にネイルを教えるようになりました。 彼女はほかの講座には参加申し込みまではしても来られなかったり、遅刻していたり、正直なところ乗り気ではなかったのですが、この講座は無遅刻・無欠席です。 最近では、ほかの参加者の爪にネイルをする練習をしていたのですが、自分から雑談を持ちかけました。他者と関わろうとする姿勢がいままで見られなかったのに、この講座では私たちの知らない彼女を知ることができました。 講座が終わって振り返りでも驚きの言葉が。 「自分が教える立場になったり、その場の空気を感じながらコントロールしているほうが受け身で参加するよりラクでした」 講座を運営する側を経験したことのなかったために知らなかった自分の側面に触れ、ポジティブな感情が生まれたことに私たちも喜びを隠せません。 ひきこもりやニートというと、無気力な印象を持たれる方もおられると思うのですが、現場で彼らの声に耳を貸すと、「やってみたい」「やりたい」という感情は根底に持っています。 一方で、支援提供側がその「やりたい」に応える方法がないこともあります。今回のネイリストになりたいという希望も通常のキャリア相談やグループワークでは期待されているものとはならない部分も多いはずです。 ネイリストになりたいという希望を聞き取ったとき、それに合ったものを準備できたことで私たちのことを信じてもらえたのではないかと思います。 彼女の支援は今も続いており、最終的にネイリストの道を歩んでいくかはわかりません。ただ、どんな進路に進むにしても、伴走する私たちのことを信じてもらえるのではないかと思います。 私たちは支援を利用するほとんどの方に必要なキャリア相談やグループワークを実施するのとは別に、個人に寄り添う支援も積極的に行いたいと考えています。Solioでいただいた寄付はそうした活動に活用させていただいております。 今後とも、ご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年6月の寄付総額は¥21,320、42名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

寄付があるから「応援してくれる大人がいる」と伝えられる。若者が社会を信じて踏み出すためにみなさんの力を借りています。

2023/08/10

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 今年度に入ってから、私たちはいままで以上に、若者の味方となってくださるみなさまとの接点を作る活動を続けています。 おかげさまで、ご寄付という形でかかわりを持ってくださる方と50名以上新たに接点を持つことができました。 みなさまからいただいた寄付を活用したプログラムでは、しばしば若者に「応援してくれる人がいるんだ」と伝えています。 実は、誰かに応援されるという経験がない方がかなり多くおられるのです。 学校の先生や保護者の方、きょうだいや地域からも、誰からも応援されたことがないのです。 もしかすると、周囲にいた大人はそんな気持ちでないのかもしれませんが、本人がそれを応援として受け取れていない場合もあります。 応援してくれる人がいる、つまり、あなたのことを見ているよという働きかけは孤立状態にある方にとってとても大事なことです。見捨てられていない、諦められていないと感じられるきっかけになります。 これは、私たち支援者だけでは足りません。私たちは、支援者という立場があって、彼らもそれを理解しているからです。第三者的な立ち位置にいる寄付者のみなさまの声だからこそ、伝わるものがあります。 8月はsolioで支援いただいた寄付の活用先を決める内部企画「若者ファンド」で企画募集を行っています。 育て上げネットが運営する全拠点を対象に「こんなことをやってみたい」という声を集めています。 声の先には、子ども・若者そして保護者がいて、通常の支援のフォーマットだけでは不足する一歩先の支援を実現することを目的としています。 支援者たちのもつアイデアや若者のニーズに応え、「最初の受益者」が生まれることで、次の活動に発展していきます。 初めて取り組む活動は支援者にとってもチャレンジです。そんなときにみなさんの支えがあることが後押しとなって、活動につながっていきます。 7月末で決算を迎え、20年目の活動もいよいよ本格化しています。 私たちはみなさまとともに、子ども・若者を支える活動を今後も続けていきたいと考えております。今後とも、ご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年7月の寄付総額は¥21,295、42名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

プログラム完了後、それでも自信を持てなかった若者に届けたい小さなステップ。「後輩指導」の可能性

2023/09/15

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 今回もsolioでいただいた寄付を活用した支援についてご報告します。 私たちが実施している支援プログラムには、明確に利用期間が決まっているものとそうでないものがあります。期間が決まっているプログラムは具体的なスキルや学びがパッケージになっているカリキュラム制になっていることがほとんどです。 そのなかのひとつに、動画編集やプログラミングといったITスキルを学ぶことをテーマにしたプログラムがあります。 ITスキルを身につけることが目的ではなく、そうしたスキルを学び、成果物をみんなで作っていく過程で、支援スタッフやほかの利用者との関わりをもち、社会性や自己肯定感を育んでいくことが目的になっています。 ある方は、プログラム参加後も求人応募に踏み出せないでいました。成長を実感している一方で「でも、これは身内だから優しくされていただけ」と実社会にはまだ不安がぬぐい切れていなかったのです。 私たちはこの方に、「後輩指導」をお願いしました。プログラムの次のシーズンに参加する利用者の講師補助をお願いしたのです。もちろん講師料をお支払いする「仕事」です。 このプログラムはオンラインで展開されるもので、全国の若者がビデオ通話でつながっています。物理的な距離があり、なおかつ最初のうちは緊張もあってビデオもオフにしている方がほとんどです。 そんな状況ではチャットやエモート、こちらからの話題提供・・・といろいろな手段を駆使して微弱な関わりを作っていく必要があるのですが、そんなコミュニケーションをそつなくこなしていく姿が見られました。 就活の面接練習や、スタッフとの個別相談で見ていた姿とはまったく違う様子に私たちも驚きました。 見事、講師補助をやり切ったあとのフィードバックをしていくと、本人も自分の良いところに気づけた様子で、とても良い成長機会となりました。 就活に向け、自分がどういったときに力を発揮できるのか、逆に緊張が勝って能力を発揮できないのはどういうときなのか・・・とより根本を理解することができました。 講師補助の仕事はもともと私たちが想定できていなかった、若者たちの支援手法であり、事業そのものの予算には計上されていません。 みなさまのご寄付があることで、試験的に新しいことに挑戦することができ、より大きな活動へと発展させていくファーストケースを創出できます。 私たちはみなさまとともに、子ども・若者を支える活動を今後も続けていきたいと考えております。今後とも、ご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年8月の寄付総額は¥21,815、43名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

寄付によって実現したプログラムを通じて就職。進んだ先は真逆の職種。

2023/10/05

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 先日、こちらの活動報告でお伝えした、ネイリスト志望の若者のサポートはその後も継続しており、先日、就職が決定しました。 当初は支援拠点に来所できるかどうかマチマチで、不安定な利用状況にあった方ですが、本人からやりたいと希望されていた「ネイル」を軸にしたプログラムを用意してからは無遅刻・無欠席のモチベーションの高い状態を維持することができました。 「ネイル」も体験する側、自分の爪に塗る段階から始め、他の利用者へのネイルを施すといった幅を広げていくことで、本人の悩みだったコミュニケーションの部分も自信をつけていくことができました。 ここまで書くと雇用先は美容関係、ネイリストへの道かと思われるかもしれませんが、実際には全く異なる業種に就職しました。爪を伸ばしたり、装飾はNGのまったく逆の業種で活躍されています。 私たちの支援プログラムではこういったことがしばしば起こります。 プログラミングに特化した支援プログラムを経て、就職した先はパソコンをほとんど使わないような職種であったり、人前に出るのが苦手だからと清掃業の会社に仕事体験に行った若者が小売店で働くこともあります。 何かに特化したプログラムでは「せっかく学んだから仕事探しもそのスキルで…」と考えられる方も多いのですが、私たちにとってはネイルもプログラミングもその方が真剣に学び、他者と関わるためのきっかけと考えています。参加意欲の湧くものをテーマに学びを重ねていくことで、異なる道を選択できるようになっていきます。 若者はさまざまな可能性を持っていますが、自分ではそれがどうやって発揮できるか、どこが合っているのかわからないと悩まれています。実際に合うかどうかは別に、いま興味を持てること、やってみたいと思えることをテーマにして自分の持ってる可能性を理解してもらえるよう、今後も支援を提供していきます。 ネイルをテーマにしたプログラムを提供できたのは、みなさまからのご寄付によって機材や道具を一式そろえることができ、プロに教えてもらう機会をつくることができました。あらためてご寄付をいただいたことに御礼申し上げますとともに、ひとりの若者が社会につながっていくきっかけをくださったことに感謝いたします。 私たちはみなさまとともに、子ども・若者を支える活動を今後も続けていきたいと考えております。 今後とも、ご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年9月の寄付総額は¥21,365、41名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

本気のサッカーで若者が最高に輝ける場をつくる。フットサルコミュニティにユニフォームができました。

2023/11/07

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 「ひきこもり」という言葉を聞くと、なんとなく落ち着きのある、物静かな若者を想像される方が多いのではないでしょうか。よくメディアで使われる暗がりの部屋でひとり座り込んでいるイメージがそうさせているのかもしれません。 実際のところはどうかというと、私たちの関わる若者は逆に明るく、体を動かすのが好きだという方も同じくらいおられます。学生時代は野球やサッカーが好きで部活にも積極的に参加していた方も多くいらっしゃいます。 人付き合いも苦手そうには見えない、そんな方々が社会から孤立する要因のひとつには、進学先の学校と相性が悪かった…というものがあります。 スポーツで推薦をもらえるほど実力のある選手が、進学先の競争や先輩後輩の関係、そして先生とそりが合わず、退学(転校)せざるを得なかったという話は私たちにとって珍しいことではありません。 ある意味、アイデンティティであったはずのスポーツが逆に社会から遠ざける要因になってしまったことでつまずきを感じている若者もいるのです。 私たちは、以前からフットサルを通じたコミュニティを作り、毎月練習会を開催しています。 練習会にはそうした学生時代にサッカーをやっていた若者も参加していて、楽しそうにしている姿が見られます。 先日、そんな若者から「フルコートでサッカーをしたい」とリクエストがありました。 近くの学校やサッカー場があるのでやろうと思えばできる範囲ではあるのですが、最も難しいのは人を集めること。 最低でも11vs11を同じ日に集めるのは、普段からのフットサルよりも大変です。 コートが広く、及び腰になる方もチラホラいるのです。。 そんな背景もあって、思い切って地域の大人主催のサッカー大会に参加することになりました。 集める人数は半分になりますが、相手も普段から練習を重ねている強豪。 ただ、そんな状況にむしろモチベーションが高まっている若者の姿もありました。本気でやれる場がなかったのでしょう。 結果は残念ながら初戦敗退となってしまいましたが、今後も積極的に大会に参加していきます。 みなさまからいただいたご寄付で、大会用のユニフォームを一式そろえることができ、活動の後押しとなっています。 私たちはみなさまとともに、子ども・若者を支える活動を今後も続けていきたいと考えております。 今後とも、ご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年10月の寄付総額は¥20,595、39名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

最初はひとりの受益者から。きめ細やかな支援を実現するための若者ファンドの内部募集を始めました。

2023/12/13

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 Solioを通じていただいたご寄付は「若者ファンド」という社内企画のために活用しています。 若者ファンドは日々の支援活動のなかで「こんなことができたらいいのに」「ちょっとやってみたいことがある」という小さな気づきや発見を形にする企画です。 育て上げネットは若者の声を大切にしています。 例えば「ハンドメイドをやってみたい」「動画編集を勉強したい」といった要望・希望をしっかりと実現することです。なぜこれが大切なことかというと、最低でも受益者が1人いるということがわかっているからです。 ひとりの若者の気持ちに応えていくうち、その活動が実はもっとたくさんの人たちから求められている支援だとわかることがあります。 そうすると次第に大きな活動へと形を変えていくのです。 最初は数千円、数万円ではじめたことに価値があるとわかれば、より大きな助成金で規模を拡大し、場合によっては企業との協働事業へと発展することもあります。 逆に、最初のひとりを超えないこともあります。それはそれで必要なことです。支援を評価するとき「きめ細かな対応」という言葉が出てくることがあります。仮に私たちが提供したものがひとりの若者にしか価値がなかったとしても、そのひとりにとって必要なことだったのであれば、まさにこれは「きめ細やか」と言えるでしょう。 若者ファンドは支援現場の活力となり、新しい支援創出の機会にもなっています。 最近は、NPOに社会を変えるための政策提言や行政連携を求める声も多くありますが、そのためには具体的な実績が必要です。そうした点においても、ファーストチャレンジができることは価値があるでしょう。 12月は若者ファンドの募集を行い、年明けからは新たな活動が始まっていきます。 そんな取り組みをまたみなさまと共有できれば幸いです。 私たちはみなさまとともに、子ども・若者を支える活動を今後も続けていきたいと考えております。 引き続き、ご支援をいただけましたら幸いです。 【ご支援に関するご報告】 2023年11月の寄付総額は¥21,435、41名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

AI×若者支援の試験的な活動、若者とスタッフに次ぐ3番手のパートナー

2024/01/26

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 育て上げネットでは対面支援に困難な状況に陥ったコロナ禍以降、テクノロジーを積極的に支援現場に取り入れるようになりました。最近では、AIが活用できないかと模索するスタッフが出てきました。 特にchatGPTを筆頭に生成系AIと呼ばれるものは若者も注目しています。 試験的に始まったAI×若者支援のひとつとして、苦手意識のある書類作成を活用しようとしています。 履歴書や職務経歴書のような書類は就活のハードルが高くなる要因です。自己PRとして書かなければならないけれど、そこまで自分が誇れるものがないからどうしたら良いかわからないというのです。 AIはその最初の一歩をサポートします。自分のことをインプットしていく作業が最初にあるので、そこで棚卸をすると自動でそれらしい文章を出力してくれます。 いわゆる、たたき台です。形になっていくと「ここは直したい」「もう少し言い方を変えたい」と要望が出てきます。 言葉にするのが苦手な人でも、目の前に提示されたものに違和感があるのか肯定的に受け止められるのか感想は出てきます。 感想をひろいあげ、反映するのはスタッフが得意ですから、間にAIが挟まることによってこの作業が円滑になっていく場面もあります。 あるスタッフはすでに仕事を始めた若者の継続支援の場で利用しています。 働き始めた会社の上司とのコミュニケーションで、上司にどう自分の考えていることを伝えたらよいか、自分が伝えたいことの表現を整理して「これだったら言えそう」という線を見つけていくところで言語化に活かしています。 会社内に専門チームがいるわけではありませんが、スタッフひとりひとりが「これはAIで何かできそうだ」と動き、やってみたことを社内発信する機会を設けることで取り組みの幅が広がってきています。 今後、AIは切っても切り離せない重要なポジションになっていくことは間違いありません。対人支援の場においても良きパートナーとして活用をしていきたいと考えています。 【ご支援に関するご報告】 2023年12月の寄付総額は¥19,530、40名の方から寄付をいただきました。 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

支援団体がハブになって企業と若者をつなぐ。合同企業説明会の取り組み

2024/02/17

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 私たちが提供するプログラムの多くは「働く」がひとつのゴールになります。働くことで経済的な自立が望めるようになったり、社会のなかに居場所を見つけられる、これを実現することはとても価値のあることです。 ただ、一般的な企業の採用担当の方からみると「ひきこもり」「ニート」という状態を触れずに面接を進めるということはほとんどありません。ひとりひとり理由があるので、丁寧に聞いてくださる会社もありますが、どちらかといえば、そもそも書類選考の段階で落ちてしまうということもあります。 育て上げネットでは、いま、若者のことを応援する企業とのつながり作りを積極的に行っています。過去よりもこれからのポテンシャルや可能性を信じてくださる企業や、一緒に若者の成長を見守ってくれる会社を見つけ、若者との接点を作る取り組みを進めています。 最近は合同企業説明会という取り組みを始めました。いわゆる合説ではあるのですが、参加している企業は育て上げネットが開拓し、見つけてきた若者支援に関心のある企業です。大きな会場に集まるような上場企業や大企業ではないかもしれませんが、これまでもさまざまな困難を感じている若者を採用してきた実績やノウハウを持っている会社に参加していただきます。 若者からすると、無暗に探すよりも「育て上げネットとつながりがある」ということが安心感につながります。なにかあればスタッフが間に入ることもでき、心理的に安全だという声もよく聞きます。 企業側からしても、これは良い面です。若者との関わり方や支え方に悩んだとき支援者に相談ができるようになっています。支援団体がハブになることで若者も企業も働きやすい環境を作ることができます。 この環境を保つため、合同企業説明会は支援団体・機関を経由して申し込めるような仕組みになっています。誰もが参加できる状況ではなく、支援団体が仲介するようになっていることが守られた環境を維持することにつながっています。 こうした取り組みを続けていくには、みなさまからのご支援が必要です。直接、若者が支援を受けるだけでなく、支援の先にある自立や社会接続を実現するためにも、みなさまの引き続きのご支援をお願い申し上げます。 【ご支援に関するご報告】 2024年1月の寄付総額は¥19,895、39名の方から寄付をいただきました 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>

なぜ「働く」の支援なのに「体験」を届けるのか。前に進むために必要な自信と知見を満たす活動。

2024/03/11

いつも私たちの活動をご支援くださりありがとうございます。 育て上げネットのFR担当の山崎です。 私が若者支援に関わるようになり10年ほど経ちます。活動を始めるようになったころと比べて若者の認識が大きく変わったのは、「働く」に対する不安や悩みがどのように生まれてくるのか理解が進んできたことです。 特に感じるのは極端にも思える経験の不足です。学生時代に不登校であったり、行けていても同級生との関係が希薄であったという方もいらっしゃいますが、そうすると多くの方が「普通」と思っている経験をしていない方も少なからずいらっしゃいます。 それだけでなく、例えば、自身の誕生日を一度も祝われたことがないという方や、旅行に行ったことがない、電車で遠出したこともない・・・そんな経験の乏しさも感じられます。 経験の乏しさがなぜ「働く」に影響するのかというと、ひとつはそんな自分に自信が持てない、こんな自分では誰からも評価されない、雇われるはずがないと行動ができない、前に進めないという形で現れてきます。 もうひとつは、知見が狭くなり職業選択の幅も乏しくなってしまうこと。親の仕事やコンビニなど自分が身近なものはわかるけれど、それ以外の選択肢がそもそも挙がってこないために非常に狭い選択肢のなかで選んでいることもままあります。 この体験の不足は若者支援に限らず多くの対人支援の場でネックになっていることでありますが、一方で「体験」はある程度取り戻しがきくことを忘れてはいけないと思います。 もちろん、学生時代の修学旅行を当時と同じ気持ちでやりなおすことはできませんが、同じように旅行に行き、仲間たちと同じ時間を過ごし、経験を分かち合うことは可能です。 不思議なことかもしれませんが、この体験を重ねていくことで仕事探しに前向きになれたり、人と関わることへの苦手意識が薄れていったり、「働く」のネックになっていた課題が自然と解消されていくようで、私たちも積極的に体験機会を提供できるよう尽力しています。 ともすると遊んでいるだけと思われるかもしれませんが、仕事に限らない体験機会があることで若者が元気になっていく姿を数えきれないほど見てきました。 みなさまからいただいたご寄付の一部は、若者たちの「やりたい」「やってみたい」という声にこたえるため活用させていただいております。 今年度のご報告は今回が最後となります。24年度は累計20万円を超えるご支援をsolioを通じていただきました。改めて御礼申し上げます。 これからも私たちは子ども・若者に寄り添い、彼らが社会とつながる活動を支えていきます。引き続き、ご協力・ご支援のほどお願い申し上げます。 【ご支援に関するご報告】 2024年2月の寄付総額は¥20,585、40名の方から寄付をいただきました 大切に使わせていただきます。 育て上げネット 寄付担当 山崎

詳しく読む >>